HTML4.01 Reference
HTML文書作成者は、次の点に留意してHTML設計をするよう、W3Cは勧告しています。
これらは、国際化対応やアクセシビリティの向上にも繋がります。
- 文書の構造と表現とを切り離して考えること(Separate structure and presentation)
HTMLの発展に伴い、視覚系の要素や属性が広く使われるようになってきましたが、 本来HTMLは文書構造のためのマークアップ言語(SGMLに由来)であり、視覚系要素、属性は
スタイルシートなどを利用して、HTMLと切り離すべきとされています。
- どんな環境でも利用できるようにすること(Consider universal accessibility to the Web)
障害を持つ人々を含む全ての人々のためのHTML文書を心がけ、音声出力や点字出力などに対応 できるよう設計することが必要であり、見栄えだけに固執するものではないと勧告しています。
これは、
IMG要素の
Alt属性の必須化などに例が見られます。また、国際化に対応する
よう、
言語情報や
書字方向の属性などが新たに強化されました。
- ユーザエージェントが各要素のデータを逐次表示できるよう配慮すること(Help user agents with incremental rendering)
TABLE要素に代表されるように、HTML文書作成者はどのような環境下でもユーザーが早く
文書表示ができるような設計に心がけるべきとし、HTML4.0ではそれを実現する手法が盛り込まれています。
とは言うものの、当文書はHTML4.0+CSS1での作成を行いましたが、一部の非対応ブラウザでは
正常な表示が出来ない場合(例えばHTML、ブラウザの対応状況など)があります。このように、現状では文書だけでなく、アプリケーション側の
ことも考慮する必要があります。また、非視覚系ブラウザに対する配慮においても、
まだまだ対応したものが少ないのが実状でありますが、これらの問題は、いずれ解決されていくことでしょう。
視覚障害者を含め世界中のあらゆる人々にWebのアクセスを容易にするため、音声出力や点字出力などを含め、
様々な機器に対応するための事をHTML文書作成者は考慮しなければなりません。
これは、HTMLによって見栄えなどに拘るのではなく、汎用性を重視しなければならないことを言っています。
HTML4.0では、Alt属性やAccesskey属性などを
有効活用することで実現可能です。詳細の内容は以下の通りです。
- 文書の構造と見栄えの明解な区別(見栄えはスタイルシートで実現)
- フォーム機能の強化(Accesskey属性による選択、選択肢のグループ化など)
- 埋め込みオブジェクトに対し、代替文字による説明が可能(Alt属性)
- クライアントサイドイメージマップに対する新しい方法の採用(画像とテキストの統合)
- Alt属性の必須化(IMG要素、AREA要素)
- 全ての要素に対してLang属性を指定可能
- ABBR要素、ACRONYM要素の採用
- スタイルシートの採用により、HTML文書の幅広い利用環境を整備
- 行、列グループ、及び非視覚系ブラウザに対する配慮を行ったテーブル関連要素
- テーブル、画像、フレームなどに対応していないブラウザに対しての配慮
アクセシビリティ向上のを配慮するHTML文書作成者は、現在不便を感じている人々からの感謝を得られるのみならず、
正しく設計されたHTML文書(文書構造と見栄えを区別して作られたHTML文書)は、新機軸のWeb技術により適合させやすいのです。
更にWAI Accessibility Guidelines: Page Authoringに詳細が記されており、
これによると以下のような大きく3つのプライオリティ(優先度)に分けられています。
これらの詳細はWAIを参照下さい。
更に細かく説明されています。
- [Priority 1]
- この項目に該当するものは[必須]です。
従わない場合、任意の人がWebにアクセスできない可能性があることを示唆しています。
- [Priority 2]
- この項目に該当するものは[推奨]です。
Webにアクセスすることがかなり改善されます。
- [Priority 3]
- この項目に該当するものは[推奨]です。
Webにアクセスすることが改善されます。
また、以下のような項目が掲げられており、これらを守ることでWebに対するアクセスを改善することが可能とされています。
- [Priority 1]:[必須]
- 画像やアプレットには代替文字を必ず指定すること
- 重要な画像、アプレット、スクリプトには説明を付けること
- オーディオには説明を付けること
- 動画にはテキストによる説明を付けること
- テキストと画像のみの色無しの状態で読めること
- HTMLでは構造のみ定義し、見栄えはスタイルシートを用いること
- 点滅やスクロールは使用しないこと
- 略語や外国語の発声や解釈のために情報を付けること
- より新しいW3Cの技術を守ること
- 固有のインターフェースを含む要素は、アクセシビリティの向上を行うこと
- ポインティングデバイスを除く入力装置(キーボードや音声など)によるページ動作が可能にすること
- 付加的技術や古いブラウザでも暫定的なアクセシビリティの解決策を講じること
- [Priority 2]:[推奨]
- フレームは相互関係を明確にすること
- コントロール、選択リスト、ラベルのグループは意味づけすること
- テーブルはレイアウトのために使わず、構造化すること
- 良いリンクを作ること
- [Priority 3]:[推奨]
- W3Cが定義した技術のみを使用すること
- サイトの案内を容易にする方法を採ること
- 複数のページにリンクする1つのページを作ること
W3C仕様書では、HTML4.0準拠のユーザーエージェント(HTML user agent)を次のように定義しています。
「HTML文書を処理するプログラムであり、視覚系ブラウザ、非視覚系ブラウザ、サーチロボット、
プロクシ等を指す」ただし、当サイトでは、これらを総称して「ブラウザ」と表現しています。
また、視覚系ブラウザを中心にしたものであり、具体的には、Internet Explorer、Netscape Navigator
を対象にしたものです。(初心者にも解りやすくするため、圧倒的なシェアを持っていることから)
また、W3Cではユーザーエージェントに対して次のような仕様を遵守することを必要条件としています。
- 属性値となる文字列の長さに関して限界を設けないようにすべきこと
- 開始タグや終了タグが省略可能な場合に、タグの有無に関わらず表示結果が必ず等しくなるようにすること
- 過去の規格に基づく文書の利用も可能にするため、HTML4.0を処理する能力を持つ場合はHTML3.2、2.0をサポートすること
HTML4.0になったことで、過去策定された要素や属性などの中には「非推奨」と
なった項目があります。これらに該当する項目は「将来的に廃止する可能性がある」
ことを示しており、今後のHTML文書作成の際には、HTML著者(HTMLを書く人=我々)はこれらの要素や属性
を含まないように設計することが好ましいとされています。
ただし、ブラウザはこれらの過去の仕様や非推奨項目を
サポートするように呼びかけています。
特に、視覚系のいわゆる見栄えを良くする要素や属性(FONTなど)は「非推奨」 となっており、これらはスタイルシート(CSS)
で代用することを推奨しています。 これは、HTMLは文書構造を示す言語とし、視覚系の項目とは切り離すべきとの考えに帰着します。
廃止予定の要素や属性についての詳細は、
要素一覧や
属性一覧を参照して下さい。
特に属性については対応する要素により、廃止予定かそうではないかが異なります。
HTML4.0になったことで、過去策定された要素や属性などの中には「廃止」と
なった項目があります。これらに該当する項目はブラウザなどに
サポートされない可能性があることを意味しています。
W3Cでも「要素」と「タグ」の違いを勘違いしている方が多いと言っています。
世間では「タグ」という名称が広まったため、勘違いしている方が多いのでしょう。
中には文献の中にもそういう文章が見られます。
要素とは、<P>〜</P>全体のことを意味し、
タグとは、<P>そのものを意味します。
つまり、HTML上ではタグは記号のみの意味であり、それ以上のものではなく、
大事なものは要素となります。当サイトにおいても全て「要素」での表現を行っております。
Last modified May,2000
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